「褒めて育てる」という考え方があります。最近では「〇〇ハラスメント」という言葉を耳にする機会が増え、それに伴い、「褒めて育てる」ことがさらに主流になっていくように感じます。
一方で、「叱って育てる」という考え方も根強く存在しています。実際に、「褒めて育てる」が主流となる中で、企業では「叱られたい」と感じる新入社員がいるというニュースを目にしたこともあります。
しかし、私は「褒めて育てる」も「叱って育てる」も、どちらもしません。なぜなら、どちらの手法にも、相手の気持ちをコントロールして教え手の思い通りに動かそうとする意図を感じるからです。このようなアプローチを取ると、教え手の気分によって基準があいまいになりがちです。「この前は褒められたのに、今回は褒めてもらえない」「同じことをしたのに、今回は叱られた」という状況が繰り返されると、生徒は先生の顔色をうかがうようになってしまいます。特に子どもたちは大人の反応に非常に敏感です。そのため、こうした影響には十分に注意する必要があると考えています。
私が子どもたちと接するときに心がけているのは、もっとシンプルな対応です。基本的に以下のような基準で接しています:
- すごく頑張ったとき、すごく良いことをしたとき → すごく褒める
- ちょっと頑張った、ちょっと良いことをしたとき → 軽く褒める
- ちょっと手抜きをした、悪いことをしたとき → 軽く叱る
- すごく悪いことをしたとき → しっかり叱る
このように接することで、子どもたちは「先生がどう感じたか」を素直に受け取り、自分の行動を振り返るきっかけを得られると考えています。そして、「正しい行動を取るために何をすべきか」を自分で考え、成長していけるのではないでしょうか。